0143:6-1:人生を損なう「コンプレックス」とモト

6-1【人生を損なう「コンプレックス」とモト】


「モトを知って生きる」具体的方法論

ではいよいよ、僕やみなさんの「辛い人生」を根本から改善するための、「モト」から考える方法論に入ろうと思います。ここからが本題のようなものです・・・今までのは基礎知識ということです(笑)。

 まずは、僕たちを日々さいなむ

「コンプレックス(劣等感)」

とどう向き合っていくか、という話から入りましょう。なぜなら、コンプレックスというものは、人生を辛くする「一番の根っこ」のようなものだからです。自分で自分のことを認められないことほど、辛いことはありませんからね。


コンプレックスと向き合うために

まず「どうしてコンプレックスを持ってしまうのか」という話です。

 僕たちは一人ではありません。そもそも、この世界にはたくさんの生き物がいますので、人間が全くいない無人島に一人で生きていても、僕たちは「孤独」にはなれません。

 とはいえ、僕たちのほとんどがそういう特殊な環境にいるわけではないので、どんな状況であれ、僕たちは「他人と関わる」人生を歩みますよね。

 そこでは、どういう形であれ、他者との「比較」というものが発生します。人間は確かに一つの種族ですが、個々を見ると実に個性的です。

 背の高い者、低い者。
 体重の重い者、軽い者。
 容姿に恵まれた者、個性的な者。
 お金持ちな者、貧乏な者。
 健康な者、体が不自由な者。
 頭がいい者、あまりよく働かない者。

ほかにも、たくさんたくさん、それぞれの「個性」があります。それらのうち、自分に当てはまるものはどれかを自分で考えて、そしてそれが

「他者より劣っている」

という自意識が出てきた時、それを『許せない』とアタマが判断したら出てくるものが「コンプレックス」というものです。

コンプレックスが人生を損なう「メカニズム」

ところで、「人生が辛い」のはなぜでしたか? 答えはこの本で何度も書いてきたとおり

「モト」が足りないから

でしたね。

 ではなぜ、コンプレックスが人生を辛くするのでしょうか。そこにももちろん、この「モト」のメカニズムが絡んでいます。

 たとえば、自分の顔のパーツの形が気に入らない人がいるとしましょう。目が細いとか、鼻が低いとか、肌の色がどうとか、そういう些細なことかもしれませんし、それは他人から見ると大したことないのかもしれませんけど、本人にとっては「コンプレックス」に感じているものです。

 その人が、鏡を覗き込みます。鏡には当然、自分の顔が映りますし、自分がコンプレックスを感じている顔のパーツも映ります。

 そして・・・ハァ、とため息一つ。自分にがっかり、なんて気持ちを持ってしまいます。

 このとき、モトがどう動いているかというと・・・

 まず、鏡に映った自分自身の姿に「注目」します。そして、コンプレックスを感じているパーツに、特に注意を向けます。そうすると、そちらに向かってココロのモトが飛んでいきます。おなじみの「モトの移動」です。

 その後、飛んでいったモトがどうなるかというと・・・もちろん鏡に映っている自分の姿は「人間ではない」ので、モトを受け取りません。
 受け取られなかったモトはどうなるかというと、生き物のココロからある程度離れてしまったら『消滅』するんです。


モトは地獄世界から「消滅する」ことがある

第二章でモトの性質について書いたことを思い出してください。モトというのは本当は「その場から動かない」粒子でしたよね。そして「有」の状態や「無」の状態になると。

 もちろん、先ほどから話している「モトの移動」というのも、この原理で動いています。ココロが持っている「有」のモトの一部が、注目した物体に向かって

   無無無無(有)
    ↓
 カ 無無無(有)無 自
    ↓
 ガ 無無(有)無無
    ↓
 ミ 無(有)無無無 分
    ↓
   (有)無無無無

こんな具合で「アニメーション」していくことによって「飛んでいく」んです。

 ところが・・・送った先に「ココロがない」と、どうなるか・・・飛んでいったモトは、誰かのココロが受け取らないと

無無無無無

と、「有」から「無」の状態に戻ってしまいます。「消えてしまう」んです。


好き嫌いゲージを「減らしながら」自分を見るから辛い

つまりです。鏡を見てがっかりしている間、その人のモトは鏡に向かって飛んでいき、ただ「消滅している」んです。しかも、ココロが愛の状態(第三章参照)ではないので、自分で増やしているわけでもありません。
 そりゃモトも減りますよね・・・。モトが減ると、人生が辛くなります。コンプレックスを抱くと、モトが減って人生が辛くなるんです。

 日常で単に鏡を見ている時は、そこまで自分に「注目」していません。単に「見ている」だけなので、好き嫌いゲージが動いていません。
 ですが、好き嫌いゲージを「嫌い」に動かしながら鏡を見る状態、それがコンプレックスを抱いている状態なので、その状態の時は大量のモトを消費してしまうということなんです。

 もちろん、鏡を見ていなくても、コンプレックスをアタマに浮かべるだけで、僕たちはモトを消費してしまいます。それは「頭に浮かべた自分の姿」に向かってモトを飛ばそうとすることなので、いたずらにモトを消費してしまうんですね。

 こうして、コンプレックスが「人生を辛くする」のです。やはりそこにも「モト」の動きが存在するのですね。

(続く)

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