6-3-1【他人の「習慣」との戦い方】①
困ったちゃんの習慣
ちょうど「習慣」の話が出たので、もうちょっと掘り下げてみましょう。この「習慣」というのは、ときに厄介なものだからです。なぜなら、自分でも「気づいていない」ことがあるからです。クセのようなものです。もちろん、自分以外の他人も、同じように「習慣」を振り回して生きています。さて、僕たちは多かれ少なかれ、何らかの「人間関係」を経験しながら生活しています。たとえ部屋に引きこもっていても、部屋にあるものの全ては誰かの作ったものですので、そこには無言の「人間関係」があるのです。
毎日毎日、当たり前にこの「人間関係」に触れている僕たちには、当然たくさんの「習慣」が身についています。
一般的なものですと、顔を見たらまず挨拶をする、別れ際にも挨拶をする、仕事でなにかしてもらったら礼を言う、などなど。こういう習慣は、人間関係を円滑にするために自動的に行うものです。
こうして「習慣」は普段は人生を助けてくれるのですが……僕たちは時々「え!?」と驚くような、人間関係を損なう「習慣」を持っている人に出会います。たとえば……
・やたら大きな声で怒鳴る
・とにかくお金をケチる
・すぐに暴力を振るう
・人のものを奪う
・嘘ばかり言う
こういう犯罪的なものから、
・やたら人にものを贈りたがる
・すぐにお金を出したがる
・過度に見栄を張る
・自慢話ばかりする
・人の話を聞かず、自分の話にすり替える
・あいさつや礼をわざと言わない
こういう「ちょっと扱いに困る人」の習慣に遭遇したら、僕らは面食らってしまいますよね。
そして……もしかしたら、自分自身にこういう「よくない習慣」の心当たりがあったりして。そして、それをやめられない自分に「コンプレックス」を抱いていたりして……。
こういうよくない習慣を
『困ったちゃんの習慣』
と名付けたいと思います。困ったちゃんの「モトあつめ」
習慣を「自ら」手放すやり方は、さきほどコンプレックスの話で紹介したとおりです。ABC理論をもとに①自分で「習慣」(=B「信念」)を分析する
②そして「習慣」をやっている最中に、自分で気づく
③意識して「習慣」をやめようと努める
という流れなのでしたね。今説明したような「困ったちゃんの習慣」も、同じように変えていくことができるはずです。
問題は、周りの人のこういう「困ったちゃんの習慣」に、どう対処するかという点です。
これについてはこれまで、それはそれはもうたくさんの「処方せん」が語られてきました。でも、それらはあくまで「個別のドラマ」それぞれの対処法にすぎません。ですが、モトあつめの視点からこれらの「困ったちゃんの習慣」を見てみると、それらは結局
そのやり方で「モトあつめ」をしているに過ぎない
という、たった一つの結論に至るのです。困った行為=「その人流の『モトあつめ』」
すべての生き物のココロは「モトあつめ」をしています。方法は様々ですが、結局やっていることは「モトあつめ」です。動物も植物も、虫もバクテリアもウイルスも、みんな何らかの方法で「モトあつめ」をしているんでしたね。もちろん人間もそうです。あなたが経験してきた「嫌なことをする嫌な人」も、モトあつめをしています。そしてその人は、そういう「嫌なことをすること」でモトあつめをしているのです。
「モトあつめ」の基本を思い出してください。一つ目は「誰かに注目されること」、そして二つ目は「自分で生み出すこと」でしたね。ですが、二つ目の「自分で生み出す」には、好き嫌いゲージが「好き」にグイッと寄っている必要があるのでした。
だから、大抵の人間は一つ目の「誰かに注目されること」で「モトあつめ」をします。簡単だからです。
先ほどの「困ったちゃんの習慣」も、もちろん「モトあつめ」の一環として行われています。そしてそれらのほとんどが「誰かに注目される」ことを目的としています。
そして困ったことに、一つ目のモトあつめ「注目される」は、相手を悲しませたり、怒らせたり、困らせたりしても「集まってくる」んです。だから、よくないことを行うことで自分にモトが集まる「快感」を一度覚えてしまったら、それが習慣になって、なかなか手放せなくなってしまうんですね。
(続く)
0 件のコメント :
コメントを投稿