0146:6-3-1:他人の「習慣」との戦い方①

6-3-1【他人の「習慣」との戦い方】①

困ったちゃんの習慣

ちょうど「習慣」の話が出たので、もうちょっと掘り下げてみましょう。この「習慣」というのは、ときに厄介なものだからです。なぜなら、自分でも「気づいていない」ことがあるからです。クセのようなものです。もちろん、自分以外の他人も、同じように「習慣」を振り回して生きています。

 さて、僕たちは多かれ少なかれ、何らかの「人間関係」を経験しながら生活しています。たとえ部屋に引きこもっていても、部屋にあるものの全ては誰かの作ったものですので、そこには無言の「人間関係」があるのです。

 毎日毎日、当たり前にこの「人間関係」に触れている僕たちには、当然たくさんの「習慣」が身についています。
 一般的なものですと、顔を見たらまず挨拶をする、別れ際にも挨拶をする、仕事でなにかしてもらったら礼を言う、などなど。こういう習慣は、人間関係を円滑にするために自動的に行うものです。

 こうして「習慣」は普段は人生を助けてくれるのですが……僕たちは時々「え!?」と驚くような、人間関係を損なう「習慣」を持っている人に出会います。たとえば……

・やたら大きな声で怒鳴る
・とにかくお金をケチる
・すぐに暴力を振るう
・人のものを奪う
・嘘ばかり言う

こういう犯罪的なものから、

・やたら人にものを贈りたがる
・すぐにお金を出したがる
・過度に見栄を張る
・自慢話ばかりする
・人の話を聞かず、自分の話にすり替える
・あいさつや礼をわざと言わない

こういう「ちょっと扱いに困る人」の習慣に遭遇したら、僕らは面食らってしまいますよね。

 そして……もしかしたら、自分自身にこういう「よくない習慣」の心当たりがあったりして。そして、それをやめられない自分に「コンプレックス」を抱いていたりして……。

 こういうよくない習慣を

『困ったちゃんの習慣』

と名付けたいと思います。


困ったちゃんの「モトあつめ」

習慣を「自ら」手放すやり方は、さきほどコンプレックスの話で紹介したとおりです。ABC理論をもとに

①自分で「習慣」(=B「信念」)を分析する
②そして「習慣」をやっている最中に、自分で気づく
③意識して「習慣」をやめようと努める

という流れなのでしたね。今説明したような「困ったちゃんの習慣」も、同じように変えていくことができるはずです。

 問題は、周りの人のこういう「困ったちゃんの習慣」に、どう対処するかという点です。

 これについてはこれまで、それはそれはもうたくさんの「処方せん」が語られてきました。でも、それらはあくまで「個別のドラマ」それぞれの対処法にすぎません。ですが、モトあつめの視点からこれらの「困ったちゃんの習慣」を見てみると、それらは結局

そのやり方で「モトあつめ」をしているに過ぎない

という、たった一つの結論に至るのです。


困った行為=「その人流の『モトあつめ』」

すべての生き物のココロは「モトあつめ」をしています。方法は様々ですが、結局やっていることは「モトあつめ」です。動物も植物も、虫もバクテリアもウイルスも、みんな何らかの方法で「モトあつめ」をしているんでしたね。

 もちろん人間もそうです。あなたが経験してきた「嫌なことをする嫌な人」も、モトあつめをしています。そしてその人は、そういう「嫌なことをすること」でモトあつめをしているのです。

 「モトあつめ」の基本を思い出してください。一つ目は「誰かに注目されること」、そして二つ目は「自分で生み出すこと」でしたね。ですが、二つ目の「自分で生み出す」には、好き嫌いゲージが「好き」にグイッと寄っている必要があるのでした。
 だから、大抵の人間は一つ目の「誰かに注目されること」で「モトあつめ」をします。簡単だからです。

 先ほどの「困ったちゃんの習慣」も、もちろん「モトあつめ」の一環として行われています。そしてそれらのほとんどが「誰かに注目される」ことを目的としています
 そして困ったことに、一つ目のモトあつめ「注目される」は、相手を悲しませたり、怒らせたり、困らせたりしても「集まってくる」んです。だから、よくないことを行うことで自分にモトが集まる「快感」を一度覚えてしまったら、それが習慣になって、なかなか手放せなくなってしまうんですね。

(続く)

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