6-2-1【コンプレックスという「習慣」の変え方】①
コンプレックスは「習慣」である
では、こういう「劣等感」に立ち向かい、人生を辛くないものに変えるには、どうしたらいいでしょうか。その答えももちろん、モトにあります。
さて、第三章で「怒り」について書いた時、
『習慣』
について書いたことを覚えていますか?習慣というのは、アタマを動かす労力を減らすために、普段何度も行っているようなことを「自動的に」判断するアタマの仕組みです。この「習慣」という機能のおかげで、僕たちは朝のぼんやりした状態でも、一通りの身支度を整えることができます。便利な機能ですね。
ところが・・・僕たちは普段の生活で「習慣」を利用しすぎています。何年も人生を歩んでいると、何度も「前もあったようなこと」に遭遇しますので、特に何も考えなくても、ある程度の生活ができてしまうんですね。
それはそれで、まあ「習慣」を便利に活用していると言えるのですが、ここでのテーマである「コンプレックス」についても、同じように「習慣」で判断してしまい、ココロを傷めてしまうようなことが起こってしまいます。
マイナス思考が「習慣化」する
ではどんな「習慣」が、僕たちを傷つけているのでしょうか。コンプレックスが起こるきっかけは、さきほど書いたとおり「他者との比較」です。この「他人と比べて自分はどうだろう」という発想は、年齢をある程度を重ねてくると、大抵の人間に芽生える発想です。
そしてそんなある日、他者から「指摘」を受けることがあります。
お前は背が低いな、とか。
お前は太り過ぎだ、とか。
お前はブサイクだ、とか。
お前は貧乏人だ、とか。
お前は弱い、とか。
お前はウスノロだ、とか。
もちろん、これほど直接的な表現で言われるわけでなくとも、それとなく周囲からそう思われてるっぽいぞ? と察知すると、それは「指摘」されているようにアタマが考えてしまいます。
それが何度も、何度も続くと、アタマは「私は周囲と比べて〇〇だ、劣っている」という
「マイナスの思考」を『習慣化』
してしまうんです。これがコンプレックスの正体です。マイナスの思考は、ココロの好き嫌いゲージを下げます。好き嫌いゲージが下がると、ココロは「不安感」という感情を出し、周囲からモトを集めて安定を図ろうとします。
この時、趣味に打ち込んだり、コンプレックスを指摘しない相手と楽しく過ごせればモトが回復するのですが、そういうことがうまくできない場合(性格や環境によるのだと思います)、ただただ、コンプレックスがアタマをぐるぐるとよぎり、自分の人生を辛く、辛くしていってしまいます。
一体どうすればいいのでしょうか。モトの考え方を使って、この「マイナス思考の習慣」から抜け出すには、何をすればいいのでしょうか。
というわけで、今再びアレに登場していただきましょう。そう、
『ABC理論』
です。第三章で「怒り」について書いた時にご説明した理論です。習慣を「変える」ためのツール
「怒り」のときも書きましたが、僕たちのココロが何かに反応するときというのは必ず「アタマ」を経由する
のでしたね(恋愛のとき以外ですけど(第四章参照))。出来事と感情の間には、必ず「頭で考えたこと」が挟まっているんでした。ちょっと復習しましょう。
A「出来事」←カラダ(見る・聞く・感じる)
B「信念」 ←アタマ(それが自分にとってどうか、という思考)
C「結果」 ←ココロ(感情の発生)
こうでしたね。ABCのそれぞれが、カラダ・アタマ・ココロに相当するんでした。
このとき、一番「変えやすい」ものは「アタマ」だとも書きました。B「信念」が変われば、C「結果」が変わることがあるのでしたよね。
これらを踏まえて、もう一度「コンプレックス」について見てみましょう。
(続く)
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